下田大賀茂の「走湯神社」(そうとうじんじゃ)は「走湯」(はしりゆ)と書きます。現在、大賀茂は温泉がなく、蓮台寺は蓮台寺温泉として有名です。なぜ、温泉がでない場所で「走湯神社」があるのでしょう?私はこれが謎でした。

大賀茂の走湯神社の境内から空に向けて写真をとった。 大賀茂の神様と蓮台寺の神様が見えそううで見えなかった。
最近納得のいく民話を発見しました。それでは大賀茂と蓮台寺でお湯を取り合った下田大賀茂の民話をご紹介します。民話ですから真実かどうかわかりませんけれどね!
Contents
「下田蓮台寺温泉」走り湯(はしりゆ)大賀茂の民話
大賀茂の神様はずいぶんのん気な神様でした。うららかな天気の日に木陰で昼寝をしていて、足元には大きな赤いつぼにいっぱいのお湯がおいてありました。このお湯が今湧き出ている温泉の湯なんですね。
蓮台寺の神様は、かねがね大賀茂のお湯を欲しいと思っていたので、いつもすきをうかがっていました。そして白い雲の上から赤い壺ごとお湯を盗んで行こうと降りてきました。神様なのに欲しいものを別の神様から盗んじゃうんですね!
お湯のこぼれる音で目をさました大賀茂の神様は、お湯が盗まれたのに気づいて、蓮台寺の神様のあとを追いかけました。蓮台寺の神様は重いつぼをかかえて、はあはあいいながら一目散に逃げていきます。まあ大変!どっちの神様が勝つのかな?
ふたりはお湯のはいった赤い壺を引っ張り合って取り合いを続けた結果、最後は大賀茂の神様が力尽き、蓮台寺の神様は元気よく赤い壺をもって帰って行きました。蓮台寺の神様がこの争いに勝ったんですね。
こんなことがあってから、大賀茂にはお湯がでなくなってしまいました。蓮台寺には熱いお湯がたくさん出ています。お湯が走ったということで、大賀茂には「走湯神社」と名付けられた神社があります。文字は走湯(はしりゆ)なのですが、地元の人は「そうとう神社」と呼んでいます。
お湯を取り合うなんてなんだか無邪気な神様たちですね。大賀茂では面白い民話でしょうけれど、蓮台寺の方では何か言いぶんがありそうな気もしますよね。この民話の通りなら温泉を横取りしたことになりますからね。
それでも蓮台寺の方ではこのような言われも笑い飛ばし、過去から現在に至るまで大勢のひとに喜んでもらえる蓮台寺温泉を誇りに思っていると思いますよ。温泉の出ない地域のことをかわいそうに思っているでしょうから、この民話も笑って受け入れてくれますよね!
「下田蓮台寺温泉」民話に出てくる「走湯神社」へ
走湯神社の前まで来ました。

この階段を登ると赤い鳥居があります。 右側はスロープになっていて階段よりも楽に登れます。 黄色いお花が咲いていてきれい。

走湯神社の鳥居です。鳥居の向こうはまた短い階段です。

見えにくいですが、柿の木です。 大賀茂は柿が良くとれます。

境内には大きなきがあります。何ていう名前の木かわかりませんが 木漏れ日がきれいです。

境内の広いスペースです。 お祭りの時やお正月はここで奉納相撲をとります。

覆殿。普段は開いていません。 お祭りや年末年始だけ開く模様。 残念。

手洗い鉢の上には屋根がありました。 手ぬぐいが干してあります。 誰もいなさそうだけれど誰かお掃除しているのかな?

石の社殿の前に青の徳利とおちょこがあります。 なんだかおままごとのようで面白いです。

本殿が覆殿の後ろに所狭しという感じでありました。

覆殿の屋根とぶつかっている太い枝。

この短い階段の上には本殿があります。 覆殿の裏にあります。

奥にはみかん園があります。 このみかんは売るのかな?
走湯神社に蓮台寺の神様とお湯を取り合った民話があったことを知らなかったので、お寺の名前が不思議でしたがやっと神社の由来がわかりました。今は地元大賀茂で大切にされている小さな神社に親しみを感じます。
「下田蓮台寺温泉」蓮台寺金谷旅館がおすすめ
この伝説の通り、大賀茂は温泉が出ませんが、蓮台寺はいろいろな旅館が温泉を売りにしています。

金谷旅館の入り口です。ここから入ります。 古い建物ですが、そこがまた雰囲気があります。

仙人風呂の標識が道にありますから見逃さないでくださいね。日本一の総ひのき風呂。 宿泊しなくても入浴できます。
なかでも、金谷旅館の仙人風呂は総檜風呂で有名です。女湯も壁や天井が木造でそこそこ広いですが、男湯大浴場(千人風呂)はもっと広くて良いです。
お風呂は深い(1m)ので立って入ります。脱衣所は別なので、男湯の千人風呂への入り口とは別々です。多分反対側になるのだと思います。
だからあまり奥へ進まないで、女湯脱衣所からの千人風呂入り口近くで温まってくだされば安心です。空いている時は子供が泳いでしまうくらい広くて縦に長いです。
下田蓮台寺温泉近辺の見どころをご紹介
50万坪もの面積があり、奥下田の山間にある観音温泉はお肌がすべすべになります。つるつるした肌ざわりのお湯は強アルカリpH9.5です。観音温泉は飲み水も販売しています。山奥の地図を御覧くださいね。
下田蓮台寺温泉のお湯のまとめ
- 走り湯(はしりゆ)の民話によると、昔、蓮台寺の神様が大賀茂の神様からお湯を盗んでしまった。
- 大賀茂の走湯神社はそうとう神社と呼ばれている。
- 蓮台寺温泉の金谷旅館の総ひのき造り千人風呂がおすすめです。
昔の神様はいたずら好きなのですね。人のものを盗んでしまう神様が居るなんて少し可笑しいですよね。
蓮台寺には温泉が豊富にあって源泉かけ流しだから気持ち良いですよ。浴槽だけでなく、壁も天井も木造りというのは珍しいですよね。ぜひ蓮台寺温泉金谷旅館にお立ち寄りくださいね。千人風呂があなたを待っています!